銀閣寺について
銀閣寺は室町幕府8代将軍、足利義政によって1490年に創建されました。
実は銀閣寺は正式名称でありません。
正式名称は東山慈照禅寺といい、宗派は臨済宗相国寺派の立派な寺院です。
金閣寺との違い
金箔が張り巡らされて豪華絢爛な金閣寺と違い、銀閣寺には銀箔が張られていません。
金閣寺は室町幕府の最盛期に時の将軍、足利義満によって創建されました。
義満は豪華絢爛な建築物を好んでおり、室町幕府にもまだ権威や権力・経済的に余裕があったことがわかります。
一方の銀閣寺が創建された時代は、
・創建前に起こった応仁の乱により国力や経済力が低下していたこと。
・応仁の乱が細川氏や山名氏など有力大名が将軍家の権力を奪い合う戦いであるように室町幕府の権威・権力は失墜していたこと。
上記の理由から経済的な余裕や幕府の権力・権威が落ちていたことが伺えます。
しかしこの戦乱で荒れ果てた時代に「美」を見出したからこそ「わび」・「さび」に重きをおいた東山文化が生まれました。
結果的にこの「わび」・「さび」の文化は現代まで続く日本の中心的な文化となり、銀閣寺はその象徴的な建物として現代まで残ることになります。
銀閣寺の見どころ
室町幕府の衰えが現れた時代に創建された銀閣寺ですが、それでも当時の建造物としては規模が大きいです。
内装
壁には質素な壁画が描かれています。
一色で描いていますが、鮮やかに見えます。
東求堂
四畳半の発祥とされる同仁斎がある東求堂ですが、残念ながら一般公開はされていません。
向月台
銀閣寺の庭園に1.8mほどの砂の山があります。
江戸時代に作られたという向月台ですが、その使い方はよくわかっておらず、上に座って月が登るのを見たなど諸説あります。
銀沙灘
向月台の隣には銀沙灘という砂の川?のようなものが広がっています。
こちらも高さがついており、高さは65cmだそうです。
銀閣と向月台、銀沙灘の立ち位置。
3つ並ぶと非常に映えます。
先月泉
洗月泉は銀閣の東側の山道近くにあります。
小さな滝から流れ出る水が近くの錦鏡池に続いています。
以上銀閣寺には月にまつわるものが多いように感じます。
もしかすると金閣寺が太陽、銀閣寺が月をイメージして建てられたのでしょうか?
近くにはすごい数の投げ銭が!
お茶の井
足利義政がお茶を作る際に使用した水が今も湧いています。
ほぼ当時のまま残っており、水の質も良いらしいです。
裏山からの景色
京都といえば金閣寺や二条城、伏見稲荷大社など鮮やか・きらびやかな歴史的建造物が代表的です。
しかし銀閣寺のような和を重んじた落ち着きのある建物も素晴らしいので、ぜひ観光にどうぞ!